毎日メディアで大々的な宣伝がされて不安を感じていますよね。
実は、以前の請求書等に3点追加するだけで適格請求書になります。
これから、適格請求書の書き方から特殊なケースの対応方法まで詳しく説明していきます。
読み終わったら、今日からさっそく適格請求書の発行ができるようになるはずです。
「インボイス制度の請求書・領収書」は、一般的に「適格請求書、適格簡易請求書、適格返還請求書(以降、適格請求書等)」を指します。適格請求書は以前の請求書等から変更点がたったの3点です。それでは見ていきましょう。
インボイス制度とは、適格請求書等の保存を要件に支払った消費税の控除を認める制度です。この適格請求書等は税務署に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し登録された事業者しか発行できません。したがって、インボイス制度の開始後は登録をしていない事業者が発行する請求書等では、取引先は消費税の控除ができず損をすることになります。なお、インボイス制度の登録をした方は、必ず消費税の申告をする必要(申告義務)があります。
図1-1 インボイス制度の導入前後の比較
インボイス制度について詳しくお知りになりたい方は、「税理士が解説!インボイス制度とは」をご参照ください。
適格請求書は3点、適格簡易請求書と適格返還請求書は2点、以前の請求書等に追加が必要となります。追加をすることで適格請求書等に変更することができます。それでは適格請求書等の記載内容をそれぞれ見ていきましょう。
図1-2 以前の請求書等(区分記載請求書)への追加
インボイス制度に準拠した標準的な請求書等です。
図1-3 適格請求書(国税庁HPより引用)
記載内容は次のとおりです。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
④ 税率ごとに区分した課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額の合計額及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
一見、必要な記載内容が多く感じるかと思います。しかし、以前の請求書等(区分記載請求書)から増えたのは次の3点のみです。記載がもれないよう注意しましょう。
① 登録番号 ④適用税率 ⑤消費税額等
参考:以前の請求書等(区分記載請求書)の記載内容
① 書類の作成者の氏名又は名称
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
④ 税率ごとに合計した課税資産の譲渡等の税込価額
⑤ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
追加すべき3点それぞれ見ていきましょう。追加をすることで適格請求書等に変更することができます。
①登録番号
登録番号を追記しましょう。登録番号はT+数字13桁でインボイス制度の登録により通知されます。
④適用税率
適用税率を追記しましょう。取引内容に応じて消費税率である10%、軽8%になります。
⑤消費税額等
消費税額を追記しましょう。請求書等ごとに、かつ税率ごとの取引の合計額に対して1回計算を行います。端数は切上げ、切捨て、四捨五入の中から選択します。
次の業種が発行可能なインボイス制度に準拠した請求書等です。適格請求書に比べ記載内容が少なくて済みます。
① 小売業 ② 飲食店業 ③ 写真業 ④ 旅行業 ⑤ タクシー業
⑥ 駐車場業(不特定かつ多数の者に対するもの)
⑦ その他これらに準ずる事業で不特定かつ多数の者に対する事業
図1-4 適格簡易請求書(国税庁HPより引用)
記載内容は次のとおりです。適格請求書と異なり、④適用税率と⑤消費税額等はいずれかでよく、また⑥の相手先の記載は不要となります。登録番号、適用税率(又は消費税額等)の記載がもれないよう注意しましょう。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率
参考:適格請求書の記載内容
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
④ 税率ごとに区分した課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額の合計額及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
追加すべき2点それぞれ見ていきましょう。追加をすることで適格請求書等に変更することができます。
①登録番号
登録番号を追記しましょう。登録番号はT+数字13桁でインボイス制度の登録により通知されます。
⑤消費税額等又は適用税率
いずれか追記しましょう。
消費税額等は、請求書等ごとに、かつ税率ごとの取引の合計額に対して1回計算を行います。端数は切上げ、切捨て、四捨五入の中から選択します。
適用税率は、取引内容に応じて消費税率である10%、軽8%になります。
売上の値引き等を行った場合に発行するインボイス制度に準拠した請求書等です。
以前の請求書等に追加する内容は、適格簡易請求書と同様ですので記載内容のみご紹介します。
図1-5 適格返還請求書(国税庁HPより引用)
記載内容は次のとおりです。適格簡易請求書と同様に、④適用税率と⑤消費税額等はいずれかでよく、また⑥の相手先の記載は不要となります。登録番号、適用税率(又は消費税額等)の記載がもれないよう注意しましょう。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 売上げに係る対価の返還等を行う年月日及びその売上げに係る対価の返還等の基となった課税資産の譲渡等を行った年月日
③売上げに係る対価の返還等の基となる課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
④ 売上げに係る対価の返還等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
⑤ 売上げに係る対価の返還等の金額に係る消費税額等又は適用税率
なお、④の税込金額が1万円未満であれば発行は免除されます。
適格請求書は、インボイス制度の登録を受けた事業者のみが発行できるため、次に該当する場合には罰則規定が適用されます。(消法57の5)
① インボイス制度の登録者以外が作成した、適格請求書であると誤認されるおそれのある表示をした書類
② インボイス制度の登録者が作成した、偽りの記載をした適格請求書などの適格請求書類似書類等
これらの書類を発行した場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に科されます。(消法65①四)
また、発行した適格請求書等の写しについて保存義務があります。発行から7年間(課税期間の末日の翌日から2月を経過した日から)です。
相互関連性を担保できれば、複数の請求書等(納品書と請求書など)の組み合わせで記載内容が揃っていれば、適格請求書等に該当します。賃貸契約書等を既に結んでいる場合には不足内容を記載した通知書を発行して一緒に保管してもらいましょう。
既存の契約書がある場合の保存書類の組み合わせ例
(事務所家賃である旨③、月々の事務所家賃④、貸主①、借主⑥が記載されている)
(登録番号①、消費税率④、消費税額⑤が不足しているため補足)
(取引年月日②が不足しているため補足)
令和5年10月1日からすでにインボイス制度が始まっています。できるだけ早く発行したいところです。しかし、図3-1のとおり通知を受けるまでの期間は登録番号がわからず発行ができません。また、登録日を挟む場合には請求書の対応が必要になります。どのように対応すれば良いでしょうか。
図3-1 インボイス制度の申請・登録・通知の関係
通知を受けるまでの期間は、申請済みであること取引先に伝えて通常の請求書を一時的に発行し、登録番号がわかり次第、適格請求書を発行して差し替えをお願いしましょう。また、登録日を挟む場合には、その前後の取引金額がわかるように記載し請求書の発行をしましょう。
(例:登録日が11月15日の場合 11月1日~11月14日 ××円(うち消費税10% ××円)、11月15日~11月30日 ××円(うち消費税10% ××円)登録番号T××)
今回は「インボイス制度の請求書・領収書の書き方」について書き出してみました。
「インボイス制度の請求書・領収書の書き方」は最大3項目の追加で対応できることがわかりました。ご自身での作成にチャレンジしてみてください。
図4-1 以前の請求書等(区分記載請求書)への追加
最後までお読み頂き有難う御座いました!
複雑怪奇な税制をわかりやすく説明し、また適切な制度の提案を行う。そしてお客様には安心して納税をしていただく。そのような想いを持って日々の業務を行っております。税金や制度について相談したいことが御座いましたらお気軽にお問合せくださいませ。